〝With great power comes great responsibility〟
ずいぶん昔に一度だけ観たことがあったサム・ライミ版スパイダーマン。
軽口を叩きながら戦う『アメイジング』や『ホームカミング』と比べて、本作は終始シリアスなトーンです。
ヒーローであるがゆえに愛する者たちを巻き込んでしまうというジレンマを正面から描いています。
映像はやはり今見るとチープに感じる部分も多いですが、ニューヨークの摩天楼をビュンビュン飛び回るスパイダーマンの姿は色褪せないかっこよさがあります。
ヒーローの存在に懐疑的だった市民がスパイダーマンに力を貸すという展開もベタですが良かったです。
火災現場に取り残された人を助けようとするスパイダーマンを警官が見逃す場面はこの映画で一番好きなシーンです。
一方で、キャラクターたちの行動にはあまり感情移入できなかったです。
ハリーは親友ピーターが好意を寄せていることを知りながらMJに手を出したり、一方的にスパイダーマンを敵視したりと、納得できない行動が多いです。
MJも悪い娘ではないのですが、男を取っ替え引っ替えという感じでピーターがどこに魅力を感じたのかいまいちわかりませんでした。
ヴィランであるグリーンゴブリンも、スパイダーマンを眠らせておいて正体を確かめなかったり、いつでも不意打ちできるのにしなかったり等かなり詰めが甘いです。
今回はスパイディ誕生のエピソードということで敵もあまり手強くはなかったので、これからの活躍に期待でしょうか。
子供の頃から抱いていた恋心を押し込め、「親愛なる隣人」としての道を選んだピーター。
サム・ライミ版はまだ1しか観たことがないので続きが楽しみです。
それにしても機械に頼らず直接手首から糸を出せるって便利ですよね。