ふじじゅん

激動の昭和史 沖縄決戦のふじじゅんのネタバレレビュー・内容・結末

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

2時間半とは思えないテンポの良さは、緊張と緩和のメリハリが良いからなんですかね。
泰然自若とした柔和な将軍牛島満、明晰さと豪快さを持ち合わせた長勇、超リアリストで先見の明をもった八原。この3人が醸す、独特の緊張感と葛藤がクセになる。

史実としてその後の歴史を知る視聴者からみると感情移入というか同情してしまうのは八原でしょうか。超のつくエリート参謀だからこそ、沖縄決戦が「本土決戦を1日でも遅らせるための捨て石」であることも負け戦であることも当然理解していたし、そのための役割をまっとうするための采配に徹していた。

沖縄の地で負ける未来を理解し、少しでも“マシ”な負け方で次に繋げるための時間を過ごす苦しさは想像を絶する。苦楽を共にした牛島と長が先に自決したから尚更。

狭い地下壕の中で、(焦点が近い環境ながら)常に遠い目で自然と何かを訴えかける仲代達矢の演技に天晴れ。
(そもそも登場人物&キャスト、全員好きです)