AtushiMachida

激動の昭和史 沖縄決戦のAtushiMachidaのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.0
【海の色が見えない】
「本島西海岸一体は・・・米艦艇のため海の色が見えない!!!」米軍の艦砲射撃を受けて言い放つ高橋悦史のこのセリフ。圧倒的な戦力の前にして、絶望を通り越して笑みさえ浮かべているようなあの表情は忘れられません。


【自爆と自決】
死んで国に報え。沖縄決戦では県民の三分の一が亡くなったそうです。三人に一人が死んでしまうなんて・・国のために爆弾を持って敵の中に突っこめ。敵に捕まるくらいなら自決しろ。現代の我々には考えられない思考です。お国のために命を捧げる。軍のプロパガンダによってここまで人は変わるのか?それとも、本当は死にたくなかったのにイヤイヤ死んでいったのか?どちらの人が多いかは分かりません。でも、平和だというのが、どれだけ有難いのかは良く分かります。


【岡村喜八】
岡本喜八監督は戦争経験者だそうです。この映画は簡単に腕がもげたり、足が飛んだり、あさっりと人が死にます。ドラマチックに人が死んでいくようなシーンはほとんどありません。次から次へと沢山の人が死んでいきます。とても恐ろしい状況ですが、淡々と時にはコミカルに描かれていたりします。これがリアルな戦場なんでしょうか?また兵隊さんがとても威張っています。軍の迷走と、軍人たちのメンツのせいで多くの沖縄県民が犠牲になりました。実際に自分が経験したその理不尽に対しての怒りのようなものも、この映画から感じました。
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