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殺しの烙印のILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.0
原題『殺しの烙印』(1967)

監督:鈴木清順
脚本:具流八郎(鈴木清順、大和屋竺、木村威夫、田中陽造、曽根中生、岡田裕、山口清一郎、榛谷泰明)
撮影:永塚一栄
編集:鈴木晄
音楽:山本直純
出演 : 宍戸錠、南原宏治、真理アンヌ、他

すべての殺し屋がランキング化された世界を舞台に、その頂点を虎視眈々と狙うナンバー3の花田五郎が、たった一度の失敗から組織に命を狙われる恐怖と戦いを描いた、異色のノワール映画。

「No.1になれなかった男」映画。

面白かったです。

あまりにも奇想天外な内容と作風ゆえに当時、映画会社の社長を激怒させたという問題作にして世界的に評価の高いカルト映画の傑作。

ガス炊飯器の米飯の炊ける匂いに恍惚とし欲情する殺し屋が主人公という設定からして一体何を観せられているのかと混乱してしまう荒唐無稽な内容だが、モノクロでとにかくスタイリッシュな映像はシビレる程カッコ良いし、前衛的かつ奇抜な演出とアイデア、ヴィジュアルイメージは世界の映像作家を虜にしたのも頷けるオルタナティブな映画的視覚演出で、めちゃくちゃ変な話とバキバキにキマったスタイリッシュな映像美が化学反応を起こして、プログラムピクチャーを作家映画にしてしまう鈴木清順の感性、清順美学が炸裂してる作品。

とても変な映画ですが、
映画ファンは観ておいて損はしない一作だと思います。
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