のんchan

晩春ののんchanのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.1
『東京物語』鑑賞後、原節子のあまりの美しさに圧倒されたが、フォロワーさんから教えていただき、役名の紀子で《紀子3部作》があると...自分と同名なので💦それでは観なくちゃ‼️っと、小津の世界へ😅

1949年、小津が原節子と初めてコンビを組み、ホームドラマ形式の小津作品のスタイルが決定した重要な作品だった。


東大教授の周吉は妻に先立たれ、27歳の娘紀子と北鎌倉で2人暮らし。
紀子はその生活を楽しんでいたものの、年頃の娘の結婚は気になるところ。
世話焼き叔母が見合いを設定し、気乗りしないものの見合いが進む。

娘は母代わりになり父とこのままずっと暮らして行きたい気持ち。
父はそれでは気の毒と、娘を説得する優しさが溢れて、娘を思う親の気持ちに涙を誘う。

「なるんだよ、幸せに」と何度も言って、紀子の幸せを願う父の姿を見て、紀子は頷くしかなかった。

東京物語の優しくよく出来た嫁・紀子とは違い、まだ娘の紀子は美しいけれど、父の再婚話や腑に落ちない事に、ちょっと目線で悔しさや残念感も表す。(その表情も新鮮)
しかし、整形なんてない時代?に目鼻立ちだけでなく、キレイな歯並びで、口角の上がった笑顔はやっぱり作られていない、生まれながらの女優なのだろう✨

笠智衆と原節子は16歳差なんですね。笠智衆は当時45歳で父親にしては若過ぎたけど、この時から老け役が始まったのかな?

ラストはまた哀愁と孤独を映し出す。
優しく娘を諭して結婚を勧め、嫁がせた日に自分は家で1人林檎を剥きながら手を止め、静かに涙する😢

昭和の世界、父娘の絆、娘を想う父
この作品も情緒豊かに、忘れかけている日本の良さを伝えてくれています。


※ただ、デジタルリマスターではないので、画像は粗く光は飛ぶし、とにかく雑音が耳障りで、台詞が聴き取り難い。難聴の私は始めからちょっと残念感がありました😣
名作は、東京物語のように全てリマスター化して欲しいな〜❣️



2021-111
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