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死刑弁護人のmiのレビュー・感想・評価

死刑弁護人(2012年製作の映画)
4.0
東海テレビドキュメンタリー特集より。
安田好弘は超有名な弁護士だが、世間の風当たりが強く、極悪弁護士だというイメージが強い。
これまたマスコミによる扇動の側面が強いことが今作がひも解いてる。

冒頭から「マスコミがきらい。彼らにはネタの提供をするだけで、真実に迫らない」というのは実にその通りで、東海テレビの懐の深さには感服するしかない。

当時まだ小学生だったので、そこまで覚えてないが、林真須美が起こしたカレー事件に冤罪の可能性があるだなんて全く知らなかった。
林真須美に対するイメージの形成が、彼女が犯人に違いないという結論をもってこさせる。
いやー恐ろしい。

弁護士の仕事も大変だと思わされた。
特に、死刑弁護人は葬儀が行われるまで弁護が続くというセリフに象徴されるように、その内容はハード極まりない。

安田弁護士が死刑廃止論者なので、それを逆手にあれこれ揚げ足をとられるわけだが、なんとも難しい。
死刑廃止論者だと言ってしまうと、弁護士である前にそういう人間だと見られてしまう。
難しい問題だ。

この作品からだいぶ経って、オウム真理教の元信者たちの死刑が執行されたが、安田弁護士の胸中はいかなるものだろうか。
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