エリーン

ザ・フライのエリーンのレビュー・感想・評価

ザ・フライ(1986年製作の映画)
5.0
私が小学生の頃、名古屋だけかもしれないが、日曜日の14:00頃から、アリスインミラーランドや、ピラニア、ヒッチコックの鳥など、おおよそ家族向きではない映画を毎週放映している番組があった。
そこで初めてみたクローネンバーグのザ・フライは、まさに私の人生を捻じ曲げた一作である。
私が愛するVFX技術の黄金期の技を鑑賞できる、素晴らしいホラー。
テレポーテーションのマシーン実験中に、ハエと人間が混ざってしまうという、サイエンスとスリリングな展開と芸術的にグロテスクなハエ男のルックスの混交は、正に奇跡的。
ジェフゴールドブラムのナードな演技は本当の科学者たちのお墨付きでリアル。美しく科学的でちょっとコミュ障な早口の英語が素晴らしい。段々と変化していく際の万能感に溢れた躁状態の演技もすごい。
登場人物は3人しかいなくて、1番やべーやつじゃん、と思った奴が意外と助けてくれるという。単刀直入に始まりシンプルで美しいストーリー展開に魅せられる。
最後のシーンではいつも泣いてしまう。
エリーン

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