キネマ寸評

ランボーのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
4.5
マレルの原作とは違う終わり方だが、続編の為ではなく当初はこれで完結だったのではないだろうか。

2からムキムキアクションに移行するが、この1は全くの別物と言っていい、PTSDの重い話。ベトナムの帰還兵が抱える闇に焦点を当てた。皆んな戦争を忘れたいのだ。

閉塞感がある刹那的な逃亡劇の中で派手にアクションを見せてくれる。血が吹き出る腕を手縫いするシーンの臨場感はすごい。
保安官、日雇い軍、大佐の火消しとアメリカの有事連絡網が見える。

最後の訴えが泣けるのだ。

山脈と自然、麓の町が美しい。
映画人としてのスタローンの真面目な人柄が好印象。
デネヒーの渋い俺の町から出てけ男節、クレンナの抑えた演技、今じゃホレイショのデビッド・カルーソの意気がり若さ。
女子が全く出ない。

アクションだけでない名作。
同時上映はアガサ・クリスティの地中海殺人事件。

20190227追記ーーーーーーー
久々にマレルのオーディオコメンタリーで鑑賞。
原作を上梓してから映画化までタイムラグがあり、ベトナム戦争後なら髪が長くヒッピーな風体は田舎で異端扱いされたとか。なので公開の80年代になったら劇中のスタローンのファッションは普通になっていた。

実はランボーは殺人しており、トラックでパトカーを幅寄せして追突させた時に4人死んでいるらしい。
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