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ブタがいた教室のUKのネタバレレビュー・内容・結末

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

現役の高校教師からの感想。非常にいい映画だったと思う。食育とか説教くさいとかいう意見もあるが、私は純粋に感動した。
子供達の演技以上のひたむきさ、純粋さに確かに引っ張られ、そこも素晴らしい。しかし、何と言っても良いのはストーリーである。かなり大げさに言えば、生き物を愛するという『人間性・ヒューマニズム』と他の生き物を食べなければ生きられない人間の宿命との狭間で葛藤する小学生たちの姿を描いていて、そこに感動するのだ。
小学校で実際にあった話を映画にしたのであろうが、このような教育を受けた子供達はおそらく、先生の下した結論を誰も恨んだりしないだろう。それは先生が出した結論だからではなく、全員が真剣に考え、涙を流して議論した後に出した結論だからである。
そして、世の中には理想だけでは通らないことがたくさんあり、時には自分の感情を殺さなければならないことがあるのだということを子供達は学んだと思う。
教育とはかくあるべしといった感じがあるが、この映画が作られた数年前より教育に対する風当たりが厳しい昨今、このようなブタを飼うという教師が現れるか、それを許す管理職がいるか、文句を言いながらも最後まで認めてくれる保護者会があるか。
もし、今でもこんなことが日本のどこかで行われているならば、日本も捨てたものではない。
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