いろどり

人斬りのいろどりのレビュー・感想・評価

人斬り(1969年製作の映画)
3.9
私の中の岡田以蔵は、判断能力が乏しいがゆえ、武市半平太に使われてしまう腕は強いが心は弱い泣き虫の剣客だったので、猛々しい勝新太郎は私のイメージとはかけ離れていた。武市半平太役の仲代達矢とはツートップを張り合ってしまうオーラの強さ。どっちがボスだかわからない。

はじめ二人が出てきたときはそう思っていたけど、見ているうちに親しみのあるかわいらしい岡田以蔵に見えてくる不思議。もうほんと、愛すべき以蔵という感じ。
勝新太郎の豪放磊落な面が吉と出た。

今作の大目玉!!といえる三島由紀夫の切腹シーンは必見!
市ヶ谷での割腹自殺の1年前に、一瞬のためらいもなく切腹するその姿は忘れがたい。

今作の見どころのひとつは鮮やかに繰り広げられる殺陣シーン。勝新太郎をはじめプロたちの見事な刀さばきは見ていて気持ちが良い。

なぜ坂本龍馬役なのかと思う石原裕次郎や、女の色香漂う遊女の倍賞美津子など、ひと昔前の豪華な役者陣の華やかな作品。エンタメ性高く、面白かった。

※岡田以蔵は言うならば殺し屋1のイメージ。浅野忠信ではなく漫画のほう。
いろどり

いろどり