流之助

人斬りの流之助のレビュー・感想・評価

人斬り(1969年製作の映画)
3.8
何気なく観たら出演者が豪華すぎて驚いた。
終始以蔵や遊女などは汗をかいており、しかめ面をしている。
それに対して武市は汗を全くかかない。表情もあまり変えず、それがかえって以蔵とは違った恐ろしさを感じさせる。
そんな演出が巧みに行われており、とてもよかった。

三島由紀夫演じる田中が腹を切るシーンでは、三島由紀夫自身の最期を彷彿とさせ、言い知れぬ感覚を抱いた。

牢名主とその太鼓持ちとして、コント55号が出ているシーンはくすっときた。

勝新太郎のすべての演技に生きている生々しさを鮮烈に感じで、ああ物凄い俳優だったんだと感慨深い。

勝新太郎が、笠を被った托鉢?の一団とすれ違うシーンは、座頭市を思い出されてにやっとした。

石原裕次郎演じる龍馬はやや合わないかな?と思ったけど、清々しく世を渡り以蔵に優しく接する姿など、龍馬らしさを感じさせられ、こういう龍馬もありかと思った。

全体的に俳優の演技が素晴らしく、印象的なシーンや演出に楽しませてもらった。
流之助

流之助