たな会No02

人斬りのたな会No02のレビュー・感想・評価

人斬り(1969年製作の映画)
4.5
超豪華です。脚本の橋本忍が最高です。司馬遼太郎の『人斬り以蔵』を脚色しているのですが、心理描写を単純化しつつ組織に飼われた犬である岡田以蔵の悲哀を、粗暴さとかわいさをもって描いてて、それが勝新とマッチしてとても感情移入しやすかったです。豪傑かつ孤独な一匹狼だからこそ、組織から認められたい、ゆえに惨めになる。これは何にせよ組織に属するものの悲哀に通ずるものがあるように思います。三島さん演じる田中新兵衛との人斬り同士の友情もよかったですね。『からっ風野郎』でひどい演技を披露した三島さんもギラギラした田中新兵衛を迫真の演技で表現してました。最高でした。