じょうだいさんの映画独白

ベニスに死すのじょうだいさんの映画独白のレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
4.8
芸術家として「美」を捉えようと模索を続ける人生。絶対的な美は突如自然発生するものだという議論がなされる。これがそのまま映画が映す全てを物語り、説明付ける。圧倒的美で構築された2時間10分。

美の探求という大義名分によって行われるストーカーというD4C。

芸術家とは捉えた美を、自身の手で再構築、またはそれを凌駕すべく心血を注ぐ。しかし、ひれ伏すしかない自然発生的圧倒的「美」を前にして恋焦がれ苦悩する。

人の持つ業に真正面から向き合う姿はボロボロになりながら、映画が構築したすべてを超越した美に成り果てて死ぬその姿こそが最も気高く尊く美しい。

解説レビュー動画
https://youtu.be/PJyqQMOdirI