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遠い空の向こうにのlinktakのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.3
自分のやりたい事を見つけ、それに全てを捧げる。誰もがそうありたいと思っているけど、仕事、家庭、お金、時間、世間体…、そんな現実のしがらみにつきまとわれていつの間にかそんな感情は失ってしまう。
この映画はこういった逆境に負けることなく自分の熱い思いを突き通し続けた実在した少年達の物語。余りにも自分に素直に夢に突き進む彼らの姿は見ていて眩しいほどだった。
今からでも遅くない。自分の夢に向かって頑張ることを続けていこう。そう思わせてくれる素晴らしい作品だった。

この作品を素晴らしいと思った理由の一つは、"この作品に悪いヤツは出てこない"ということだ。登場人物は皆ホーマー達のことを応援しているのだ。そんな温かい愛に溢れているところもこの作品の素晴らしいところだと思った。途中までは父や校長は主人公達の障害になるような形で描かれている。彼らも社会に出て働いてる以上守るべき立場があるため仕方ないことである。特に父親に関しては自分の全てである炭鉱を否定される悲しみややるせなさ、息子の夢が絵空事で終わってしまうことへの懸念、素直に息子を応援する立場に立てないもどかしさ、息子が自分の手の届かない世界に向かおうとしている寂しさなど数多の感情がうずまいていたと思う。後半、コンテストで優勝した後、炭鉱で父とホーマーが話したあと、炭鉱へ向かうエレベーターの中で見せる父の表情は 、すべての葛藤を乗り越え素直に息子を誇れるようになった彼の喜びが表現されていて非常に印象的だった。
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