夜に羽ばたく鳥

揺れる大地の夜に羽ばたく鳥のレビュー・感想・評価

揺れる大地(1948年製作の映画)
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変わらぬ搾取の構造。主人公一家を襲うのは反逆者としての裁きと瞬く間の転落劇である。尊厳などという甘美な鎧は無惨にもはぎ取られ、そこにあるのは貧困と労働を拒絶された肉体だけだ。救いはない。ただ道があるばかりである。みずからの足で一歩また一歩と裸足で踏みしめねばならない、峻厳で苦難に満ちた道が。ネオレアリズモの作品群ではウンベルトDに次ぐ傑作であると思う。