〜少年は見た。白ロシアの地獄を〜
蝿の羽音、不協和音。真上を飛ぶ偵察機が唸る音、燃え盛る火の音……
めっちゃ完成度の高い戦争映画。
よく出来てますよ。ホントに。
主人公の少年の演技も非常に上手い。
ノイローゼになってないか、心配になる程。
徐々に変わっていく少年の表情が本当に恐ろしい
…ただ、ゴリッゴリに精神を削り取られる。絶望しかねぇ…。
洗練された環境音が、観る者を神経衰弱の世界へと誘う。
ホラーテイストの戦争映画って感じですかね。上を見上げればまたあの偵察機…。あの立ち回りは完全にホラーゲーの敵キャラのそれ。
また観たいけど、観たくないなぁ…
久しぶりにキツかった。
「子供から全てが始まる」
ラストシーン。主人公はあのヒトラーでさえ、かつては自分と同じ子供だったのだと気づき、涙する。
白黒の資料映像を逆再生し、時を巻き戻す演出は見事としか言いようが無い。
…まぁ、ソ連も行く先々で相当な事したらしいですよ。強姦、略奪etc…
本作もしっかりプロパガンダ映画です。
後半はその毛色が強くてちょっぴりがっかりしました。
今は違うでしょうが、ソ連産の戦争映画なんて、だいたいがそんなもんですけどね…
してやられた感があって何か悔しい。笑
………元気な時に見ることをオススメします。ダメージがデカい…。
