キミシマユウキ

リトル・ミス・サンシャインのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

3.7
それぞれが問題を抱えたフーヴァー家族は娘のオリヴァーのミスコン出場のために全員でオンボロ車でカリフォルニアに向かうが・・・

コメディ・ドラマ、ロードムービーの代名詞。
世界興行収入1億ドル超えでアカデミー4部門受賞!
周りの評価が高くずっと気になっていたのでついに鑑賞。

「あったかいんだからぁ~♫」(もう古い)
と言いたくなるような心がほっこりと温まる家族ドラマだった。自殺未遂でホモの伯父、口の悪い祖父、自分の理論を信じてやまない頑固な父、ヒステリック気味な母、無言の誓いを9ヶ月守り続けている兄、そして少しポッチャリだけどミスコンを夢見る少女、、、とキャラの濃い家族が勢ぞろいしてひとつの車に乗って旅する様子は愉快。爆笑するような場面はなくとも常にクスクスと笑えることが多かった。
ジャケットにもなっているポンコツ車を皆で押しながら発進させるシーンは自分もお気に入りで、意見の食い違いなどで仲が悪い家族たちが旅の経過とともに少しずつ打ち解けていくのを象徴していたのだろう。

キャストはあまり知らない人が多かったが、
伯父役は「フォックスキャッチャー」などで真面目な役をこなせることを世界に示したスティーブカレル!
この人は「ザ・オフィス」という海外ドラマのうざい上司役で昔から好きだったので出てるだけで嬉しい。あまり男好きっぽくは見えなかったがなんだか一番常識人に見えた(笑)
無言のお兄ちゃんがポールダノ!
この間鑑賞した「プリズナーズ」で知ったが、変な役ばっかりやってるらしくたしかに独特な雰囲気をもってるというのは伝わった。今回は普通な役の方なのかな?
祖父役のアラン・アーキンはアカデミー助演をとっていたがそんなに評価されるほどだとは思わなかった。彼と孫娘の会話のくだりや女好きなキャラなどはもちろん楽しめた。
そのミスコンに闘志を燃やす娘役はアビゲイルブレスリン
どんなに家族間がギスギスしても、彼女がいるだけで自然と和むような純真無垢な可愛さで自分もノックアウトされた。過剰に着飾った娘っ子なんかより1000倍も美しい。ただラストのダンスシーンは必見。彼女も10歳にしてアカデミーノミネート!
あとはお母さん役が「シャイニング」の叫びまくってるお母さんにちょっと似てるなぁと思ったけど共感は得られなさそう。

”人生は勝ち負けが全てじゃない”
という素敵なメッセージを教えてくれるロードムービーだったが、「これは最高の傑作だ!!」と絶賛するほど自分はハマらなかったので周りの評価が高い分残念。もうちょっと歳を重ねてものの見方が変わって来たらもう一度チャレンジしようと思う。

ロードムービー好き、コメディ・ドラマ好き、そしてオンボロ車で旅をしたい人にはオススメの作品