このレビューはネタバレを含みます
プージェーはわたしと同い年くらいだと思う。馬を乗りこなして、嫌なことは嫌だという、大人と子どもという境目がないようで、欲しいものは「こんぴゅーた」と恥ずかしそうにはにかむ。
動物たちが口をたくさん動かして、草を必死で探し求める。最期のときまで。その様子に、完全なる自然への信頼をみた。もし生かす流動の中なのならば、大地はひとふさでも草を残すだろうと。動物たちはたとえ枯れ地の上でも、我先にと草を食べようとはしなかった。それを見て、自と他というように分ける私の愚かさにも気づいた。
プージェーはきっとそれもちゃんと見ている。だから、彼女のお母さんもきっと自分自身も、自然の流動の中で個はなくても生きている。
保険証がないから、診察を受けられなかったことには、怒りが湧いた。だけど、登録されていない自由な彼らも少し羨ましく思った。
医療や技術の発展は「登録者」にしか恩恵をもたらさないのかな。それについては、のちのちかんがえたい。
プージェーが恥ずかしそうに夢をかたるときの表情の変化がとっても好きだった。