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失はれた地平線のaaaakikoのレビュー・感想・評価

失はれた地平線(1937年製作の映画)
3.8
この時代にこんな映画が撮られているなんて!
まず、吹雪の雪山や雪崩れ、山あいを飛行する飛行機などの撮影に関してのよく撮ったなーってのと、その内容。「理想郷」「ユートピア」については今となっては新しくもない設定なのかもしれないけど、この時代に撮られたことが素直にすごいなと思いました。
第二次大戦の直前!これは反戦映画ではありませんか。

物語はまさに、大戦直前の中国バスクル地方から始まる。イギリス人数人が、混乱の中専用機で帰国しようとしている。
けれどもその飛行機はチベットの山間部で不時着し、彼らは「理想郷/シャングリラ」に出会う。
住民たちは、適度に統制され、適度に幸せで、不満がないので犯罪もないという理想郷。
「いずれは世界は強大な兵器を使った戦争になり、強い者たちが争って自滅し合ったあとは、我々のような温かい心の人類が残る」というような高僧の言葉には、思い当たるようなものがありました。

また、本作は完全版のフィルムが損失し、70年代になって復元されたもの。
ところどころ映像がない部分は静止画(スチール写真を集めたとか)で、それもまた味がありました。
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