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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のYU@Kのレビュー・感想・評価

4.0
「正義の怪獣が悪い怪獣を倒す裏で被害を被る人間」の復讐心がテーマ。これはある種巨大特撮物の最大のタブーで、言ってしまえばウルトラマンや戦隊ロボも街を破壊しまくって被害を出している。そのタブーにこれでもかと触れてくる。
当のガメラも一貫して正義の怪獣という訳でもなく、3部作の中で「人類の味方」から徐々に「地球が遣わした存在」に描かれていく。可能性として、人間すら地球を守るためならガメラの標的になるやもしれない。
前2作の設定や登場人物の積み重ねが活かされており、3部作でさながら大長編なクオリティ。ラストは何か思い出すと思ったら劇場版仮面ライダー龍騎のラスト。隻腕のガメラは果てるまでギャオス郡と戦い続けるのだろう...。
1作目は「これぞ怪獣映画」。2では「これが金子監督のやりたかったガメラ」。そして3で「これまでの怪獣映画を越える何かを創りたい意気込み」を感じた。これまで培われてきた怪獣映画のノウハウを元に、何が出来るのか、どこまで出来るのか、飽くなき追求が生んだ3部作完結編。
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