ボブおじさん

スティングのボブおじさんのレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.7
子供の頃、〝人を騙すことは悪いことだ〟と教えられた。でも〝悪い奴を騙すのは気持ちいい〟ということを、この映画に教えてもらった。まだ〝コンゲーム〟なんて言う言葉も知らなかった頃、テレビで初めて見てワクワクとドキドキが止まらなかった😅

その後、〝相手を信用させておいて騙す〟コンフィデンスゲーム=コンゲームの話題作が出るたびに、引き合いに出されるのが今から半世紀も前に作られたこの映画だ。

初見でアッと驚く映画は多いが、この映画は2度、3度見ても十分に面白い。いや、2度目、3度目の方が面白いといえるかもしれない😊

華麗なる騙しのテクニック、テンポ良く二転三転するストーリー、見事に再現された1930年代の車・街並み・衣装、主役から脇役まで文句なしのキャスティング、そして軽快なあの音楽。まさに、この手の映画の原点にして頂点と言っても過言ではないだろう。

「明日に向って撃て!」から4年後、監督のジョージ・ロイ・ヒルが、主演のポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードと再び組んだ大ヒット作。

舞台は1930年代のギャングが暗躍していた街シカゴ。大物ギャングに仲間を殺された若き詐欺師フッカーは、その恨みを晴らすため、賭博師ゴンドーフの助けを借りて一世一代の大バクチを打つ。

この復讐が銃による暴力ではなく、〝相手を騙して巻きあげる〟というところが、詐欺師コンビによるコンゲームの真骨頂。更に全体を6つのプロットに分けて、各シークエンスに表題を付ける演出で、テンポが生まれ心が弾む‼︎

列車内での緊張感溢れるポーカーゲームや暗殺者によるサービスシーンなども織り交ぜて、いよいよ舞台はクライマックスへ、役者は揃い細工は流流、あとは仕上げを御覧じろ😊



〈余談ですが〉
敵役のギャングのボスを演じたロバート・ショウが相変わらずいい味を出している。

この人を初めて見たのは1975年の大ヒット映画「JAWS/ジョーズ」。変わり者のサメ狩りのプロ、クウィントをクセ強めに演じ初見から強烈な印象を残した。

その後、テレビ放送で見た「サブウェイ・パニック」や「007 ロシアより愛を込めて」でも印象的な役を演じているのだが、何故だかいつも最後に大変な目に遭ってます😅

それだけに、幻の日本劇場未公開映画「ブラック・サンデー」で彼がヒーローとして登場したのを見た時は、何だか胸が熱くなってしまった😭

さて、コンゲームの古典として余りにも有名なこの作品。最後にロバート・ショウ演じるギャングのボスは今回も見事に騙される😅

だが、本当に騙されたのは、この抜群に面白い映画をのめり込んで見ていた我々なのかもしれない😊