ミミック

スティングのミミックのレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.9
若手ペテン師フッカー(ロバート・レッドフォード)が伝説の詐欺師ゴンドルフ(ポール・ニューマン)と組んで、標的ロネガン(ロバート・ショウ)に大バクチを仕掛ける痛快クライムコメディ。

隙のない完成度の高いストーリーはたとえ結末がわかっていても、また何回見ても同じ様にドキドキワクワクさせる骨太な作品であることは疑いようがない。むしろシンプルなストーリーだからこそ見るたびに面白さが浮かびあがり、登場人物がより好きになり、作劇の巧さに感心する。

CMや番組のBGMで1度は聞いたことのあるサントラは物語の軽快さをよく表してる。全体を紙芝居のように章立てしてるので分かりやすく展開を追える。

三谷幸喜が参考にしてそうな多彩な詐欺グループに注目したい。顔の作りがブラピに似てるフッカーの逃げるときの走り方が格好いい。ゴンドルフのよくやる鼻を触るサインが粋だ。様々な人物に扮装するキッドやJJの場に溶け込む演技が楽しい。初心者メンバーのエリーが自分の芝居に欲が出る様子が可笑しい。相手の力を認める刑事はルパンの銭形を思わせる。

クライマックスの山場に向かって盛り上がる高揚感が堪らなく好き。ロネガンが賭場に現れてからはリアルに心拍数が上がるのを感じた。
敵も騙すし味方も騙す、最後に笑うのはいったい誰なのか、ぜひ一度見て楽しんでほしい。
ミミック

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