花の絵

裸の大将放浪記 山下清物語の花の絵のレビュー・感想・評価

4.4
山下清といえば🍙を食べながら線路上を放浪しているイメージ。
平成生まれの自分でも「裸の大将」と聞くと、あの風貌、放浪癖、そして独特な喋り方が頭に浮かぶほどの有名人。

たまたま古本屋で見つけた山下清の「ヨーロッパぶらりぶらり」を読んでから、テレビドラマで作られた山下清像とはまた違う印象を受けて、世間が注目する魅力的な人物であったことがよく分かった。
貼り絵や点描画ももちろん素晴らしいけど、着眼点と言葉の表現から山下清の心の優しさや清らかさを感じとれて、ほっこりした。

映画版「裸の大将放浪記」は、そんな清の影の部分も表現している作品。
障害を持つ身として、また放浪しながら食べていくために奉公する身として、今ではあまりない身分の格差を受けながら、心が喜ぶ方向へ向かい続ける姿に「放浪する意味」がみえた。

思うままに放浪できる人生の方が、清にとって幸せだったのではないか?
そんな疑問が残った。

終盤の「ぬれぎぬ」の話は心に深く響いた。
花の絵

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