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断絶のmiのレビュー・感想・評価

断絶(1971年製作の映画)
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放浪する女の子と話の通じない男の子と軽犯罪と乗り物とフェティッシュ
目的地も終わりもない旅をする人たちをみるのは楽しいけど、破滅の予感にヒリヒリし続けるのは体力がいる、
そして体力がいるのは私が2020年代の人間で、逸脱と日常の境界をひく習慣にしがみついているからなんだろうなとか、ヒッピー文化の勉強が足りないなあとかと思うこの頃、

同じロードムービーでもヴェンダースとかはもっとすっきりしてて鬱屈した印象が薄い(ように私は感じる)のは、作家性の問題ももちろんあるにしても、ロードムービーにおいては終わりがないことが逆に観客の閉塞感や不安感を作動させるからじゃないかなあと思った、
というのはヴェンダースはもっと主人公の年齢とか立場とか置かれた状況とかはっきりしているし、終わりの見えない不安定な境遇に置かれっぱなしではなくて、なんとなく旅の目的意識とか周囲の環境についての情報が与えられているからそこまで不安にならないのだと思う、ヴェンダースのロードムービーが不安定な一点にポジショニングしてゆらゆら揺れている状態だとしたら、本作やワンダやイージーライダーみたいなのは放り投げられて落ちる前のどこにも力をかけられない状態という感じがする

あとアケルマンの話をこっちでもすると彼女1971年21歳のときから2年くらいニューヨークにいたらしい、
アケルマンの『私、あなた、彼、彼女』は本作の女の子側から見えている世界を撮った映画なのかもしれないと思うくらい彼らの間で世界がしっかり共有されていて感動しました
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