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断絶のmashiritoのレビュー・感想・評価

断絶(1971年製作の映画)
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60年代後半の熱気が去り、一種、虚無感のムードが漂う70年代初頭。
彼らの他人に対する無関心さ、刹那的な生き方はいかにも時代を象徴するもののようにも見える。

ヘルマン監督の無愛想な演出も、そんな時代の空気感をうまく醸し出している。例えばザ・ガールが2人組の同行者となる瞬間を、カメラはかろうじてフィルムに収める程度にしか映してくれない。また、南部の若者に挑まれて参加したレースに2人組が勝利する瞬間も、はっきりとは見せてくれない。決定的瞬間で客観にインパクトを与えようという意思が皆無なのだ。
いや、決定的瞬間などというものはこの映画に存在しないのだろう。
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