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三国志の福福吉吉のレビュー・感想・評価

三国志(2008年製作の映画)
3.5
趙雲(趙子龍:アンディ・ラウ)が一兵卒から蜀の五虎将軍になり、曹操の孫娘・曹嬰(マギー・Q)との最後の戦いに挑むところまで描いた作品。

趙雲に焦点を当てているため、趙雲が活躍した長坂での劉備の息子・阿斗救出劇と最後の戦いである北伐のみを描写している。三国志全体を1本の作品に収めることは不可能だと思うし、仮に作ったとしても三国志のうわべをなぞる浅い作品になり、面白みに欠けると思いますので、本作品の構成は良いと思います。但し、三国志の時代の一部を切り取って、脚色も多くされているので、三国志を知らない人にとってはなかなか理解しにくい作品だとも思います。
趙雲のアクションは素晴らしく、騎乗での戦いや地上戦、将軍になってからの指揮などどれをとってもかっこ良かった。
また、本作では趙雲と同じ常山郡出身で兵卒時代からの兄貴分として羅平安(サモ・ハン・キンポー)が趙雲の活躍を見届ける役割としてとても良い感じでした。同郷だけど出世していく弟分においていかれる情けない感じが良く出ていました。本作では最初から最後まで出演しているので、吹替の水島裕さんの声をたっぷり聴けて大満足です(個人的に)。
趙雲は最後に曹操の孫娘の曹嬰(マギー・Q)と対峙し、戦うのですが、曹嬰は美しく、気品に満ちた感じがあるとともに、趙雲と対等の武将としての風格を感じました。趙雲と曹嬰の一騎打ちのシーンもかっこ良かった。
三国志を題材にしたフィクション作品として面白かったと思います。ちなみに羅平安と曹嬰は三国志にいない架空の人物であり、この二人で映画を盛り上げているのがとても印象深いです。
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