め

ヴァージン・スーサイズのめのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自死の理由は本人にしかわからないけれど、彼女たちは愛も生きる辛さも知っていたと思う。
家族のルールという首輪につながれ淡い色の檻に幽閉されていた彼女たちは何を思っていたんだろう。
死を以って空想の世界に飛び立てたのかな。

抑圧、社会からの隔絶、しんどいよな。
追い討ちをかけるように
小さな胸に大事に温めていた色々が、突然、次々と、ぽっかり奪われていく。
セシリア、木、彼、愛、意思、レコード…
悲しみよりも大きい空虚に飲み込まれても仕方ない。

「まだ人生の辛さも知る年にもなっていないのに」
「でも先生は13歳の女の子になったことはないでしょ。」
内に抱える陰鬱や不安定な機微は大人の目には映らないから、同年代の男の子たちの目線を通して描かれていたのかな。

母は、娘達の自死の前も後も同じ表情…

なんか死を選んだ気持ち分かる気がした。
私なら、レコードを燃やさないで、木を切らないで、と伝わらない叫びを漏らすのが精一杯だ。
助けてと伝えることが出来た時にはもう心は決まっているものだよね。
死にたいじゃなくて、うん、死のう。ってなってしまうというか。
電話越しに聴いた音楽がたましいを洗ってその選択に導いたのかもしれない。
すてきな笑顔だった。
め