Marco

ヴァージン・スーサイズのMarcoのレビュー・感想・評価

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
4.8
多感な時期に観たからか、当時はこんなに儚くてロマンチックでこわい夢みたいな世界観を見せつけられたことがショックだった。
まだ薄暗い夏の夜明けの校庭、受話器ごしにレコードをかけあう少年少女、ささやかなホームパーティで振舞われるフルーツポンチ、同じ生地で作られた5人姉妹のワンピース、少女たちのほんのいっときのきらめきがとても残酷に美しく描かれていた。
アメリカ郊外のノスタルジックな風景とキャロルキングが歌う去りゆく恋人が本当に沁みるのだ。
最近10数年ぶりに見たくなっているけど今見たらまた感じが違うのだろう。でも思い出すだけで切なさで胸が苦しくなる、そんな一本が心にあるのはとても幸福なことだと思っている。
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