漆原

春にして君を想う/ミッシング・エンジェルの漆原のレビュー・感想・評価

3.6
居場所をなくした老人が幼馴染の老女と施設を抜け出し二人の故郷を目指す逃避行。
セリフは少なめだけどアイスランドの絵本の様な美しい風景を拝める。娘の家に身を寄せるも厄介者扱いされ、老人ホームも居心地が悪い。自分だったらと考えるととてつもない孤独感が襲ってくる。

後半はロードムービー。体力がある訳じゃない老人二人が警察から逃げる逃避行は、アクションシーンがある訳でもないのに目を見張る。
「あの月と昔見た月は同じ?」「分からない。あれから人間が月に行った。きっと荒れてる。」

病院や施設の無機質な部屋で死ぬより、例え荒れ果てて無人になっていたとしても、故郷で死にたい。
漆原

漆原