死んだ爺さんの家は、新幹線の駅がある町だが、小高い山から見ると田園がずーっと広がる田舎で、田んぼに流れこむ小川はこの上なく澄んでいて、惑星ソラリスの冒頭の揺らぐ水草よりも、はっきりとザリガニやら石やら、空き缶までもが罪もなく透過できるほどの清流である。川辺で、爺さん婆さんが死んでいても、まあ、そのうち土に還ったり川の流れに乗って、たしかに転生でもしそうな場所である。孤独に、死んでいくことができそうである。いいかもね。
死んだ時に、ぐらぐら揺すられたり、いやあーって泣かれたりするのどう思います?知らんけど、死ぬときはだんだんと意識が遠ざかっていくんじゃないかな、急性疾患でもない限り。気持ちいいんだろうね、だから、体を揺するのはおやめなさい、だから、耳元でぐじぐじ泣くのはおやめなさい、なんて思いますな。ははは。
アイスランド、死ぬ場所としてはいいかも。離島では海、原生植物、岩だけ、人はいない。天使はいるかも、いないかも。
注 : 最後を除く上の2つのパラグラフは映画の内容とは関係ありません。