フリーザ

シザーハンズのフリーザのレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
4.0
【2020年クリスマス映画鑑賞記録24】

数年ぶりに再鑑賞。
『フランケンシュタイン』や『美女と野獣』をベースにしたダークファンタジー。

パステルカラーの街並みと白黒のお城の対比が視覚的に面白く、お城の中のシーンは後のティム・バートン作品のアニメーションの様。
街のビジュアルの方は可愛らしくも見えるし無機質な作り物感が怖くも見える。

エドワードが序盤から結構笑顔を見せていてちょっとビックリ。
最初は無表情なイメージでした。
後半のクリスマスのシーンも雪が積もってる気がしてたんですが全然そんなことなくてクリスマス感ほぼなかったです。
「雪の降る理由」が話の大事な部分なのでここで雪積もってるわけないんですけどね…。笑

ストーリーこんなにシンプルだったっけ?
最初はほのぼのしてますが一度リズムが狂ってからはひたすら落ちるだけという中々救いようの無い話。

エドワードのキャラクターにはティム・バートンらしい異形の者に対する愛を感じましたが、それと同じくらい「周りと違うものを除け者にする”世間”や”常識”に対する怒り」を感じる作品。
こういうテーマは後のティム・バートン映画に引き継がれるテーマですね。

周囲から変人扱いされつつ、その怒りや悲しみを芸術に昇華するエドワードの姿はティム・バートン監督自身と重ねて見てしまいます。



以下ネタバレあり








前に観た時はなんとも思わなかったんですが今回観て一番思ったのは「キムはちゃんと周りに説明しろよ!」ってことです。
なにお前も被害者面してるんだよ!笑
素敵な話風に締めてましたが、要は「真相を知りつつ何も言わず結局エドワードに人間不信を植え付けて再度お城に引きこもらせた」だけじゃん、ていう。
特に言えない理由もないであろう場面でも何にも言わないのはなんでなんだろう。
普段映画のキャラクターの行動に怒りを感じることはあまりないんですが、やってしまったことはともかく家族にも何も説明せず、挙句に死人まで出しといて終始ヒロイン面してるキムに無性に腹が立ちました。
孫にあんな風に語る前に街の人にきちんとエドワードの汚名を晴らせよ!笑

街の人達やジムもムカつくキャラクターですが、彼等は醜い存在として描かれているので特に腹は立たなかったです。ジムに至ってはフラれた挙句死ぬし。


後、何度か「医者に診てもらったら?」という質問をされエドワードもそれを拒んでいなかったのにその辺有耶無耶にしちゃったのはどうなんだろう。
「エドワードを作った博士しか手を治せないのだった」的なシーンを入れるだけでモヤモヤしないのに。

今まで食事どうしてたんだろう?服は着替えてないの?お風呂は?とかとか野暮なクエスチョンはそんなに気にならなかったんですが、医者に診せる云々は思いっきりやり取りが出てきてたので流石に気になりました。


総じて好きな作品だし良い映画だと思います。但しキムは許さねえ。ってことです。

2020年の年の瀬に『シザーハンズ』のヒロインにキレ散らかしてるの虚しくなってきたのでこの辺で。
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