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ワイルド・ワイルド・ウエストのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.4
アカデミー賞がチラつくこの季節。
まったく狙ったわけではないけど、そんな季節にウィルスミス主演。

めちゃくちゃ久し振りに観た。
しかも、この映画、当時のラズベリー賞で“最低作品賞”と“最低脚本賞”の2冠達成してるのか。

この時期に観る映画としては少々攻め過ぎか。
でもClip!した順番が来てしまったんだからしょうがない。観るっきゃない。

確かにかなり破茶滅茶な映画。
でもこれ『MIB』シリーズの監督なんだな、知らなかった。しかもウィルスミス。“鬼に金棒”状態なのに、これもある意味で攻め過ぎたのか。

『特攻野郎Aチーム』みたいな音楽が良い。高揚感があってワクワクテンション上がる感じ。でも、あのトラックに寄せ過ぎてる気もしないでもない。

時代背景も嫌いではない。
1870年ぐらいのアメリカの南北戦争が終わってすぐの頃。戦争は終結してるけど、その残り香みたいな沸々とした“何か”が蠢いていて落ち着かない時代。

この頃は、古き良き文化の中で新たな文明が発達する過渡期。それを背景に、ファッションやガジェット、メカの造形各種がとても魅力的。スチーム系。

腕は立つけど破天荒な陸軍大尉、ワイルド、ウィルスミス。
腕は立たないけど頭脳明晰な発明家的捜査官、アーティマス、ケヴィンクライン。

大統領直下の命令で、米国自体を乗っ取ろうと仕掛けてくる組織に逆に迫って悪を討つ、、、はずが。

いわゆる“凸凹バディムービー”。
これが『MIB』の監督。1の後にこれ。なんか、何となく、この2作、近からず遠からず。
でも、これに続編はない。『MIB』はこの後2作続く。

これはラズベリー賞獲ってしまったからなのか、かなり予算を投じてそうだがその回収ができなかったのか、いずれにせよ、このあと、この監督は『MIB』の方に的を絞った、みたいなことなのか。

かなりぶっ飛んだ展開で、ワイルドたちが行くところ、すべからくメチャクチャになる。
アーティマスのとんでもガジェットから、相手組織のとんでも兵器、その旗印の“いかにも”さ。
何から何までわかりやすくぶっ飛ばしてる。

話も合衆国政府と独立敵対組織の敵対関係でシンプルなんだが、とにかくこの凸凹コンビがいちいち場をめちゃくちゃにしていく。
話が進展して事態が好転しているのか、よくわからない。

この世界観、音楽、ガジェット、兵器、鉄の首のアレとそれを追って飛んでくるアレ、列車の仕掛け、わかりやすい“ラスボス”感と“ラスボス”思想、“エアゴードン”、フランケンみたいなやつ、2人のアクションコメディ、わかりやすい勧善懲悪。

その他たくさんの“お上品ではない”ブラックジョークや皮肉や、言動、下ネタの数々。

こういう映画は、行動の理由や万物の法則を求めたり、骨太なサスペンスは期待せずに、バンザイして観れば良い。

とにかく見た目を楽しむことに終始する。そうすれば、そこそこちゃんと楽しめる、、、と思う。
ラズベリー賞を獲ったということはそれなりに注目されていたことには変わりない。

個人的にはこのテイストの映画は嫌いではないので、止まることなくわかりやすく突き抜けてく感じとエンタメ嗜好に振り切った感を楽しめた。


F:2008
M:7565
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