みおこし

上流社会のみおこしのレビュー・感想・評価

上流社会(1956年製作の映画)
3.9
グレース・ケリー最後の出演作となったミュージカル仕立ての一本。『フィラデルフィア物語』のリメイク?らしいですね!皆さんのレビューを拝見して学びました!

富豪のデクスターと、隣家の令嬢トレーシーは以前駆け落ちして結ばれた運命的な夫婦だったが、今やトレーシーは別の男性と結婚しようとしている。2人の結婚の取材に訪れた記者マイクとリズも巻き込み、うまく運ぶはずだった事がどんどんあらぬ方向へ...。

とにかくオシャレ!粋!豪華絢爛!!かなり気に入りました。
タイトルの『上流社会』が示す通り、登場人物は豪華な衣装や家具、シャンパンや食事に囲まれリッチな生活を送っていますが、決してステレオタイプなお高く止まった人たちということではなく...!むしろ遊び大好きでハッチャけまくり。「女神」とフィアンセから崇められているグレース・ケリー演じるトレーシーも、実際は酒乱だし若干お尻が軽いし(笑)。
あらすじはツッコミどころたくさんありましたが、これだけ美しい映像と豪華俳優陣と名曲が堪能できるなら文句なし。ルイ・アームストロングも本人役で出てる!

まずはビング・クロスビー。いかにも富豪って感じの達観した雰囲気と、あの可愛いタレ目(笑)。この作品の前に『喝采』という重い映画でグレースと共演した時とは打って変わって楽しそうでそれだけでほっこり(笑)。
でもクロスビーより天下のシナトラ様がカッコよかった!!伊達男な記者役でグレースを口説いちゃうんですが、あんな甘い声なら、フツーに会話してたのにいきなり目の前であんなに顔近づけて突然歌われても許せちゃうなと。歌ってほしいなと。生産性のない妄想ですみません(笑)。とは言えども、グレースとセレステという二大美人女優を作中でたぶらかすのは本当にチャラい!ダメ、絶対!(笑)
シナトラに密かに想いを寄せるセレステ・ホルムが本作に登場する唯一の常識人。周りがブッ飛んでる中、静かにそれを眺めてる姿が印象的でした。本当に素敵な女優さん...。

そして何と言ってもグレース。フィアンセがいるのに泥酔してシナトラともクロスビーとも浮気しちゃうし、めちゃめちゃ気が強いしで「クールビューティ」の異名はどこに行ったか忘れるほどのハジけっぷりが清々しい(笑)。トレーシーはなかなかのビッ◯なのに、グレースだから許されてしまうシーンが多々ありました。悪酔いしてだる絡みをしてもOKなのはグレースくらいだろうな...。
衣装も綺麗なので、彼女の美しさがますます引き立って目が釘付けになってしまいました。最後の作品だから、肩の力を抜いて楽しそうに演技している姿が印象的。シュッとしてる彼女も素敵ですが明るい彼女も大好き!!

シナトラとセレステが銀食器を眺めて歌うナンバー、クロスビーとシナトラのデュエット、そしてヨットの上の'True Love'がお気に入り。撮影中はシナトラとクロスビーが水と油で大変だったようですが(笑)。
50年代のあのお洒落な雰囲気と、ロマンチックなミュージカルが好きな方は必見!かなりおすすめ!
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