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愛する時と死する時のricoのレビュー・感想・評価

愛する時と死する時(1958年製作の映画)
3.5
ドイツ人の、一般人からの目線の戦争映画ってなかなか見る機会がないので、まずそこが新鮮。
サークらしく、あくまで戦闘の中で憎しみや正義を喚き散らすような戦争映画ではなく、市井の人々の戦争に対する惑いを丁寧に描写する。
ナチの残忍さも描くが、その中でも助けてくれる人もいたり、昔の友達が成り上がって残忍な一面を持っていたり。そういう多面的なものを合わせ見せる事で物語に多くの含みを持たせてくれている。
まあ正直なところ個人的に結構中だるみしてしまったのだけども、亡命していたサークが追われている人に「ドイツを嫌いになる事なんてできない」なんて言わせてしまう所に涙を禁じえない。
物語の終わり方もサークらしく、希望と絶望を併せ持つ終わり方でなんとも言えない気分になった。

それにしても、意外とセットなどにお金かかってそうだし、やはりある程度当時から集客の見込める監督ではあったのだろうか。廃墟でかかったよなあ、、、
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