愛する時と死する時の作品情報・感想・評価

「愛する時と死する時」に投稿された感想・評価

HAL2016

HAL2016の感想・評価

4.1
敵の兵士を一切見せずに戦争を表現するのは流石です。それでいて民間人らしき人間をゲリラとして処刑する。戦争には不条理がつきものですね。最後もそうした不条理がはっきり表現されてました。メロドラマのサークの懐の深さがわかる作品です。
かさ

かさの感想・評価

4.7
サークの戦争映画。想像もつかなかったけど、亡命経験のあるサークらしく、戦争表現も濃厚。これでもかってぐらいの戦争下メロドラマに脱帽。限られた日数での恋愛が切ない。

ちなみに今まで出会ったヒロインの中で、一番性格が好き
ダグラス・サーク演出の戦争映画という珍しさに戦争映画ならではの迫力の演出や悲惨な描写もあって良い意味でダグラス・サークらしくない点が実に面白かったし、それでいてしっかりメロドラマやれている点も尚良かったのだけど、英語で話してるからドイツが舞台ってことを度々忘れてしまうのが難点

あとクラウス・キンスキーに似てる奴がいるなと思ったら本人でちょっとビックリ
くると思うとこんとかホラーの鑑賞作法に似てきて愉しめたというのもあるが、過剰さのコントロールがよくわかっていいと思ったし、普通に面白くてよかった。というか、クソクソいい。テンポとアフォリズムの大傑作。笑かしてもらいました。人間が死ぬことが通常の戦争という異常な情況と性急すぎる悲劇の過剰さが中和的で画面色のグレーに合ってる。あと、クレジットにチラッとキンスキーの名前が見つかって探してたんだが、ギランて感じでちょこっとおった。にくいね。
pika

pikaの感想・評価

4.0
ドイツ人であるサークがアメリカへ亡命した後に息子の戦死を知ってドイツ人の視点から作った反戦映画。

青年が休暇をもらって地元へ戻り好きな女性ができるがまた戦場へ戻らなければならず。。という題名そのまんまのストーリーで、サークの代名詞であるメロドラマが主な軸。
しかしながらドイツ人の青年が「戦争を忘れて僅かな休暇を楽しみたい」と地元へ戻っても、空襲だったり知人が収容所へ入れられたり両親が行方不明だったりと戦争から逃れることができず、戦場では自分のしてきたことを忘れようと何も考えないようにしてきたこれまでとは違って、前線から離れた地で戦争が起きたことで変化した姿や人々に出会い目にして、戦場でしてきたことや国家への疑念など「戦争とは」というのを考えさせられていく展開やエピソードが秀逸。

それら全てが横に逸れるでなく、メロドラマを軸にして多角的な「戦争」というものを描いてみせる。そしてその描写や演出はとても美しく意味深でロマンチック。
全体的にちょっと長いな、という部分はあれどラストは胸にグサーッと刺さって余韻半端ない。凄い。

ライラックの香りってどんな香りなのかわからない。(´+ω+`)
最強クラスの反射物の演出。
冒頭の処刑からラストの水面に映る死に顔まで、狂気すら感じる画面構成にビビる。
rico

ricoの感想・評価

3.5
ドイツ人の、一般人からの目線の戦争映画ってなかなか見る機会がないので、まずそこが新鮮。
サークらしく、あくまで戦闘の中で憎しみや正義を喚き散らすような戦争映画ではなく、市井の人々の戦争に対する惑いを丁寧に描写する。
ナチの残忍さも描くが、その中でも助けてくれる人もいたり、昔の友達が成り上がって残忍な一面を持っていたり。そういう多面的なものを合わせ見せる事で物語に多くの含みを持たせてくれている。
まあ正直なところ個人的に結構中だるみしてしまったのだけども、亡命していたサークが追われている人に「ドイツを嫌いになる事なんてできない」なんて言わせてしまう所に涙を禁じえない。
物語の終わり方もサークらしく、希望と絶望を併せ持つ終わり方でなんとも言えない気分になった。

それにしても、意外とセットなどにお金かかってそうだし、やはりある程度当時から集客の見込める監督ではあったのだろうか。廃墟でかかったよなあ、、、
ロシア戦線から休暇でドイツに戻った兵士が両親探しの旅に出るが、そこで出会った女と恋に落ちて……というお話。

全カット絵画的な美しさと重厚さがあり、カメラは立体的に動き、照明から美術から衣装から画面構築に至っては何から何まで完璧。窓の枠を十字架に見立ててたり、先行き不安になったとたんにガッツリ表情が影で隠れたり、爆破シーンは人物が必ず映っていて空襲の怖さを表現してたり、細かい演出も抜かりない。

ただ、個人的嗜好として反戦映画が苦手ということもあり、良いのはわかるんだけど……で止まるかなと。メロドラマにならざる得ないしね。
tjr

tjrの感想・評価

4.2
戦時中、一時休暇を得たドイツ軍兵士の帰郷と束の間の幸福。
もうこのタイトルだけで泣けてきてしまう。
メロドラマに加え、戦地における殺人責任の所在というテーマまで内包した重厚な物語で、戦争映画のみとしても見応えがある。
全体的に暗い戦地の情景に時折配置される花のイメージが印象的で、ライラックやバラへの言及にも微かな希望を感じ取る。
既に2本観たサーク作品では、瓶が落下して割れる事は不和や絶望を表象してるように思ったが、本作では愛情の高まりを表してるようで面白い。グラスを投げ捨てることが女性を抱き上げる行為に繋がる流れは素晴らしい。
夜・暗闇のシーンが多い為、人物の顔を浮かび上がらす照明の巧みさが際立つ。
ビンディングさん宅の内装、鹿の剥製多すぎて笑った。
hamada

hamadaの感想・評価

4.3
いつものサークなら勝手に割れるグラスを投げて割るのがもう、最高。涙出ます
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