住友

それいけ!アンパンマン つみき城のひみつの住友のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

国家間の人種差別を扱った作品。
話の展開はこども向けにライトに作ってあるが、本質は包み隠さず描かれている。

「昔からそうだった」と双方の島国は保守的。国民は互いに「口を聞いてはならない」と厳命されて育てられているなかで、新しい時代の変化を受け入れていこうとする、次世代の首長のオリガひめとつみきおうじ。
それぞれの国民は最終的に一致団結するが、これは単なる利害関係の一致であり──「共通の敵」への制裁でしかなく、必ずしも和解したわけではないのが妙にリアルだった。本作品は92年に公開されたので、背景として冷戦を意識していたのかもしれない。

ジャムおじさんとバタコさんが「仲直りしてください」ではなく「姫を助けて」とレイヤーをひとつ下げた提案をしているところも興味深い。「そんなことを言っている場合ではない」とジャムおじさんが何度も国民を窘めるシーンがあり、印象的だった。

オリガひめがつみきおうじとの逢瀬を回顧するシーンでは、2人の無垢な愛と勇気に涙なしには観られなかった。
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