あふぴる

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実のあふぴるのレビュー・感想・評価

4.5
"金融"は経済循環を促す画期的なシステムのように見えるが、実際には格差増幅装置であった。

銀行をはじめとした金融機関は政府による規制解除が進むにつれ腐敗していく。さらには、それら金融機関の監督機関さえ腐敗し、多くのサブプライムローン問題が浮上する。金融というシステム上、不良債権は売ってしまいさえすれば、その不利益を被ることは無いからだ(作品内ではこの構造をババ抜きに例えていたが非常に上手い表現だと思う) 。そして、その不利益は巡り巡って貧困層に向かい、貧しいものはもっと貧しくなる。また、金融というシステムは債権が焦げつく(不履行になる)方にもBETすることができるため、貧しくなる者がいる一方で、それによって、より富む者が発生する。
現在の金融システムに抜本的な改革が施されない限り、この構造は容易には覆らないだろう。
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