人物描写・音楽・セットが素晴らしい。明るいと重々しい音楽の使い分けがより戦場の狂気を増幅させる。決定的場面での表情へのクローズアップが印象的。自分が一生涯で口にするだろう罵詈雑言の量をはるかに凌駕するユニークな汚い言葉たちを、たったの一本の映画で耳にする。イカれたジョークが米兵たちの狂気を表しているが、あのような環境下で正気を保つための自衛的手段にも思えた。平和な世界で生きている自分に登場人物の人間性を評価するような定規は持ち合わせていない。とにかく凄まじいような満足感と疲弊感、狂気、興奮を与えてくれ、瞬きすることを忘れる一本。
