きょ

見知らぬ乗客のきょのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
4.0
この不気味さは最高。ヒッチコックならでは。

ブルーノおるやん!となるシーンが多くて、主人公同様こちらもじわじわねっとりとブルーノに追いつめられる気分になる。
テニス観客の首振りシーンやら、パーティで勝手に親族と仲良くなってるとか、外堀埋められていく感覚も怖い。

冒頭 足だけのカット、遊園地、メリーゴーランドのシーンとか、視覚的な演出にもこだわってるのがすごい。

個人的に一番良かったのは、サイコホラーにあるまじき長尺のテニスシーン。試合の裏で、まさに今自分が殺人の容疑者にさせられようとしている緊迫感・時間制限があるおかげで、本当の試合を見ているかのようなドキドキがある。これは普通のテニス映画ではできへんやろ。

ちなみにアメリカ版のポスターで、タイトルの「STRANGERS 」にヒッチコックが「L」の文字を加えて「STRANGLERS」にしようとしてるのも、遊び心があってよい。絞殺者。
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