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見知らぬ乗客のyuangのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
3.8
ご存知サスペンスの神様アルフレッドヒッチコックの代表作。

主人公は列車内で偶然出会ったサイコパスな男ブルーノに交換殺人を持ちかけられる。
その場は適当にあしらうのだが、ブルーノは本当に殺人を犯してしまう。
次第に疑惑の目を向けられたりと面倒毎に巻きこれる主人公は如何に。
と言ったストーリー自体はシンプルで展開もスピーディに進んで行くので、古い映画ですが見やすいです。(古い映画を見るときにありがちな時代背景などの理解の必要性はほぼ無いと思われます)

1950年代の映画なんですが、ヒッチコックの演出などは凄いですね。
シーンの至る所に緊張感が張り詰めていて超一流のサスペンス映画です。
テニスの試合の最中に観客は皆、テニスボールの行方に視線を運んでいる中でブルーノだけは主人公をジッと凝視しているシーンなんて鳥肌もの。
怖いけどちょっとコントっぽくて笑える。
笑いと狂気は紙一重ということが実感できます。

こういった古い良作を見るとテクノロジーの進化=良作を産み出しやすくなるってのはまた別物だなと感じてしまいます。
結局は監督自身のセンスなんだなと。

殺したいほど憎い人間は、誰にでも大なり小なり存在するとは思いますが、実際にそれが叶った際には、このような面倒ごとが付き纏うとしたらそこには後悔しか残らないのだろうな。

殺人にまで発展しなくとも、こちらに非がなくともサイコパスな人間に巻き込まれて迷惑被るってことは割と誰にでも起き得る事柄なので、気をつけなきゃなと実感しました。
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