おきみやげ

パッセンジャーズのおきみやげのレビュー・感想・評価

パッセンジャーズ(2008年製作の映画)
2.5
まず始めに言っておくと、これは「サスペンス・ミステリー」を期待して見るものじゃないです。俳優とか監督とか製作陣で興味を持ったのならいざ知らず、傑作ミステリーを期待して見る人は見なくていいです。一言で言うなら「頭からっぽにして見たら何も面白くないが、よく考えながら見てもスッキリしない映画」です。
さて、本題に移りましょう。まず、主要人物らが気に入らない。セラピストである主人公クレア。飛行機事故にあった人々のセラピーをする事になる訳だが、素人目に見ても良いセラピストではない。そしてそれが意味のある描写とも思えず、ただの下手なセラピストにしか見えない。経験豊富そうに描かれる背景とまるで一致しない。なんなんだ?
更に主人公と共に過ごすことになる男・エリック。ロマンチシズムに酔った中学生のガキみたい。心的外傷によるものかと思えばどうやらそうでもなさそう。なんなんだ?
◎以下、少しネタバレを含めていきます。

次に構成。クレアがセラピーを続ける内に様々な事件の謎が見つかるわけだが……これが混乱させられる。飛行機会社の陰謀なのか?主人公の狂気がみせる虚構なのか?それとも全てを巻き込んだ超自然的現象なのか?どの線で考えるにも情報がフワッフワで思考がまとまらない。ネタばらしされた後でも、「観てる最中に答えを当てられたくなくてフワッフワの半端な情報しか出さなかったのかなぁ」としか思えなかった。どこにも巧さを感じなかった。
というかクレアはどうしてエリックに惹かれたんだ?あの描き方だとエリックの独善的な暴走を描いているだけで1人の人間に惚れるまでの描き方じゃなくないか?人が少ない事も「あのオチだから!」と言い張るがそれにしては妙に人が多くないか?図書館で遠くにいた男の人とか絶対クレアに必要じゃないだろう。記憶喪失のおじさんもあの時に記憶を取り戻して全部スッキリしたからいなくなったのか?視聴者とクレアに不安を掻き立てる為のエッセンスにしたとしか思えないが。
本当になんだったんだこの映画は。スッキリしない。