ベビーパウダー山崎

I SHOT ANDY WARHOL アンディ・ウォーホルを撃った女のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.0
男は遺伝子の欠陥なので皆殺しに。SCUMマニフェスト片手にヴァレリー・ソラナス演じるリリ・テイラーが(二重の意味で)「本物」に見える。制作された90年代より今のほうが、ソラナスの声明は図太く響くかもしれない。が、キチガイのミシェル・ウエルベックは「現代のフェニストは前の世代の四十七倍悪質だと思っている」と新刊で図々しく書いてもいたので、そうではないのかもしれない。
過剰な心配性のウォーホルが、殺人未遂後は更に過敏になったのは当然といえば当然。ウォーホルもソラナスも頭のおかしい人が、それなりに自由に生きて、適当に認められて、早めに死んでいた良き時代。
ファクトリーとかパーティのくだりとか、洒落ていないというか、どうなんだろうと思わないこともないが、ヨ・ラ・テンゴがヴェルヴェット・アンダーグラウンドを演じていたのは、予期せぬエラーって感じでそれはちょっと面白かった。ウォーホルを撃つ、終盤のくだりは良かったと思う。銃を持つ手元から倒れたウォーホルに近づきズドンと。メアリー・ハロンから語られる女性監督史ってのもたしかにあるはずで…。