サバイバルものは、その役者の一人芝居を堪能するジャンルだと理解しているから、あなたがウィリアム・デフォーマニアなら必見(遠藤憲一でリメイクも可)。
現代美術と共に閉じ込めれたデフォーの喜怒哀楽オンステ>>続きを読む
理不尽に虐げられ、社会と支配の奴隷として生きてきた女性が、人並みの幸せさえ奪い取るクズどもを皆殺しにする映画。この地獄を淡々と描き切るのがアキ・カウリスマキという作家だと思っていた時期さえあった。当然>>続きを読む
サークやファスビンダーばりに鏡や窓を積極的に用いる佐藤寿保。明らかに予算も撮影日数も足りないが、それでも五代響子の文学的なセリフと佐藤寿保のありふれた日常を歪なニューワールドへと塗り替えてしまう卓越し>>続きを読む
学生のころに見たときは、ジャン=ピエール・レオが背負ってきた映画の光にやられて、あのラスト(選択)に納得したようなフリをしてしまった覚えがあるが、いま歳を重ねて見返すと、やはり殺し屋は仕事をまっとうす>>続きを読む
予期せぬ殺人が起きる場、その用意されたステージこそがトビー・フーパーのホラーなのだと改めて思う。殺人鬼や殺しの手法より、迷い込んでしまった人間が酷い目にあう曰く付きの領域、その邪気が渦巻く磁場こそがト>>続きを読む
流されながらも、行動力はやけにある。野垂れ死にしない未来を切り開くのは、結局は前に進む意思なんだろうとは思う。同じクソ労働者として、俺はそれさえもないので、えらく冷めた眼で眺めてしまったりもしたが。逃>>続きを読む
『リング』や『キュア』あたりの90年代ジャパニーズホラーを平然とパクって、アリ・アスター的な「今風」アレンジで仕上げたジャンク品。
精神科医って設定がまず安っぽい。終始、デカい音といきなりの衝撃でびっ>>続きを読む
ほぼブレッソンの精神。『罪と罰』をデビュー作に選んだのも、ドストエフスキーだからと言うよりブレッソンの影響からではないのか。淡々とはしているが、若さから色々とやりたがってはいる。
知らない他人を死なない程度に血みどろにして弄ぶ表現が別に好きなわけでもない。人殺しを楽しむというより、与えた苦痛で悦びを得るスラッシャー。被害者のほとんどが女性と子どものため、その行為が虐待に見えたり>>続きを読む
ウォーホルが勝手に撮った『時計じかけのオレンジ』(一応キューブリック版より6年早い)。端から映画の撮り方なんかに興味はないし、知らないしどーでもいいと思っているので、静止した枠内でよく分からない人がガ>>続きを読む
前にアテネ・フランセで『ゴミ、都市そして死』の(舞台を映した)作品を見たような気がする。ファスビンダーの戯曲にファスビンダー組の役者たち、それで監督が元カレのダニエル・シュミット。ファスビンダーの思想>>続きを読む
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ウィノナ・ライダーはゴスっ子のままぼんやりと可愛くて、キャサリン・オハラは変わらず騒がしく、マイケル・キートンは西川のりおばりに未だにイキイキしていた。ディズニーから離れたティム・バートンは想像を創造>>続きを読む
『クワイエット・プレイス』って基本は音を立てないようにしているから眠たくなる。俳優が片手間で監督をしていた前作までとは違って、さすがに「映画」の匂いはする。それが優れているかどうかはまた別の話だが、末>>続きを読む
母が死ぬまでの記録。荒れた地に吹きすさぶ、決してうまくいかなかった母との関係を、それでもとにかく愛していた母を。母が死に、後を追うようにアケルマンも自殺する。母の言葉は娘が望むセリフのようでもあり、あ>>続きを読む
暴力と嫉妬の血みどろミュージカルは何度見ても最高。ドミニク・サンダに愛想を尽かされたミシェル・ピコリが自分の喉を切り裂く、どこか綺羅びやかな世界を夢見ていた客を唖然とさせる素晴らしいショック。労働階級>>続きを読む
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シャマランの血筋を引く作家として多少は期待していたが、呆れるぐらいつまらなくて脱糞。あの隠し部屋に繋がる床下のし掛け、あんなの真っ先に気がつくだろ!もっと真面目にさあ、映画と向き合ってくれよ!!
迷い>>続きを読む
ミシェル・ピコリの生活とSF作家である彼が創作した世界、その境界線が曖昧にされている。どこからが空想なのか、どこまでがリアルなのか。それはつまり、それ以降のアニエス・ヴァルダの映画、ドキュメンタリーと>>続きを読む
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自称カメラマンの小娘に振り回された挙げ句、不幸にもバタバタと死んでいくジャーナリスト。その死さえ、彼女の未来のため、表現の糧にされてしまう恐ろしさ。 燃え盛る町を、人の死を、絶望を、洒落た映像のように>>続きを読む
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元ネタっぽい『CURE』(『叫び』や『カリスマ』の匂いも)な伝播型連続殺人があり、その謎を追う女性FBIが実行犯と対峙するのは『羊たちの沈黙』で、画の作りは『セブン』。まあ、良くも悪くも「雰囲気」だけ>>続きを読む
セクシーな魔女が「貧しきお前を成功者へと導いてやるから、その代わり(代償)として娘が生まれ18歳になったら私に差し出すのだ…」的なグリム童話の『ルンペルシュティルツヒェン』が元にあるようなないような話>>続きを読む
『クワイエット・プレイス:DAY 1』を見るために、見逃していたのを今さら。ジョン・クラシンスキーもエミリー・ブラントも、あれで終わっているんだから続編なんか創りたくねえー、という気持ちがありありと伝>>続きを読む
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悪趣味で不条理な状況が次々と描かれること自体は、そのグロテスクで過剰な表現を渋々だとしても肯定して受け入れるが、問題なのは、表面的な異様さしか描いていないのに「これ面白いでしょ?」「これって変わってる>>続きを読む
タル・ベーラというより、タル・ベーラをやりたかったガス・ヴァン・サント(『ラストデイズ』『ジェリー』『エレファント』)の手法でスラッシャー映画を撮るクリス・ナッシュ。狂っていて好き。
森を歩き続ける殺>>続きを読む
これが現代的な若者たちのリアルなのかどうかもよく分からないが、鳥の脳みそぐらいしかなさそうなダラダラとした会話の何もかもが俺にはさっぱり理解できず、意図的な「おふざけ」が、妙にシリアスな熱い掛け声に切>>続きを読む
見返して、ビートルジュースの稼働時間はそれほど長くないんだなとか、クライマックスに用意されている結婚のドタバタは何を見せられているんだろうとか、幽霊屋敷を幽霊側から描いている悪趣味なコメディホラーだけ>>続きを読む
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そもそも転売屋の話でもないし、あってもなくてもどーでも良さそうな物語がその中心の人物から離れていくと菅田将暉の映画でもなくなり、人がバタバタと死んだ先にあるのは世界の終わりで、つまりこれはどうしようも>>続きを読む
死にゆく母を中心に、息子、父、そして息子の妻がその周囲に配置される構図は、一般的な物語であれば「悲劇」に向かって残されたものたちの絆が深まり、許しが生まれるという展開を期待させるが、モーリス・ピアラは>>続きを読む
欲望にだらしなくて他人に迷惑かけまくってるくせに、俺は微塵も悪くない、どいつもこいつも俺を見下し、舐め腐りやがって!ぶっ殺してやる!と勝手に逆ギレするガサツな知恵遅れ。「俺はエボラだぞ~」とツバを吐き>>続きを読む
いまだに『96時間』の貯金でVシネレベルの激安娯楽に出演し続けるリーアム・ニーソン。
ニーソンとマシュー・モディーンしか出てないのにニーソンと家族を電話で操る犯人は誰だ?と大真面目に問われて脱力したり>>続きを読む
ドタバタコメディの『パージ』。それが役柄だとしても、オークワフィナがギャーギャー喚き散らしていて、ただうるさい。ジョン・シナが出て来なかったら途中でモニター蹴飛ばして見るのをやめていた。シム・リウは悪>>続きを読む
服のシミ一つでも激怒する歯医者。なにごとも清白であろうとする重度の潔癖症は、汚れた労働者をフェラチオする妻の不貞を目撃してしまいキチガイになる。
白く輝いていた歯もいつかはバイキンに侵され(犯され)黒>>続きを読む
セックスでしか心が癒やされない、愛を感じられないと勘違いしている男女が、セックスから離れた関係性を築き、それが真の恋愛感情へと発展していく、よくできた「ピュア」なシナリオ。ヤりすぎても臆病になっても崩>>続きを読む
竜巻にトラウマ植え付けられた女性の冒頭から同じだが、ほぼ『ツイスター』のリメイク。吹き飛ばされるスクリーン、『ツイスター』では『シャイニング』を流してたが、今作は『フランケンシュタイン』。なんか格好つ>>続きを読む
オリジナル『華麗なる賭け』より好きやね。金持ち男の勝ち逃げから、女性と共にその人生を背負うハッピーエンドに改変している。俺はラストが「飛行機内」の映画になぜだか惹かれてしまう。
当時はふーん、って感じ>>続きを読む
クリス・ファーレイの映画が見たくなった。ファーレイ最後の出演作。今作のファーレイの相方はマシュー・ペリー。そういえばペリーもこの前死んだな。その先の未来のことなど微塵も考えず能天気に馬鹿騒ぎしている早>>続きを読む
みな狂っていて最高。個性的なメンバーが集まって「チーム」での戦いもアガる。その中でもヘレン・ハントが最も竜巻キチガイってのが素晴らしい。
パニック映画というより、竜巻を怪物に見立てたモンスター映画とし>>続きを読む