CHEBUNBUN

ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルターのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

4.0
【ライブ映画と思いきや、、、】
ドキュメンタリー映画は、現在進行形を撮る為不測の事態が起きる。ある種、そのハプニングが凄いかどうかで作品の評価が決まってしまう。このローリング・ストーンズのライブを収めた本作は、音楽ドキュメンタリー史上最も恐ろしいものを撮ってしまった。

1969年と言えば、ウッドストックフェスティバルという、軍が災害扱いとして出動した音楽祭のあった年。奇跡的に暴力事件に至らなかったことで有名だ。

しかし、本作で描かれる1969年オルタモント・フリーコンサートはウッドストックフェスティバル同様の混沌下で暴動が起き、死傷者が出た悲劇だ。

撮影スタッフは、未来に起きるこの悲劇を知らない。だから、ヒッピーが機材に乗り暴れたり、その前のライブでステージ乱入が発生しているのに、「ウッドストックでは大丈夫だった」と言い野放しにしてしまう。明らかに、危険な、一触触発な事態に本ドキュメンタリーを観る者はハラハラドキドキする。

さっきまで、「サティスファクション」や
「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のドープな演目を楽しんでいたのに、戦慄してくる。

そして、「悪魔を憐れむ歌」が始まり、乱闘発生、演奏中断を挟み「アンダー・マイ・サム 」を弾くと遂に死傷者が出てしまう。決定的殺人の瞬間に背筋が凍った。

まさに
War, children, it's just a shot away
It's just a shot away!
な衝撃ドキュメンタリーと言えよう。
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