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フェアリーテイルのleylaのレビュー・感想・評価

フェアリーテイル(1997年製作の映画)
3.8
実話を素敵なファンタジーに昇華させた優しさあふれる作品。
美しい英国の田園風景も魅力です。

コティングリー妖精事件。
1917年、第一次大戦下のイギリスで、妖精を撮った少女2人の写真が世間を席巻する。
本物か偽物か!?
TVで見たことがあった話で、その時は信じなかった。この作品を観て、妖精はいるのだと信じたくなりました。

生い茂る緑、流れる小川、木々に差し込む木漏れ日…。こんなに豊かな自然の中なら妖精は、きっといるはず。

ヨークシャー地方の美しい田園地帯が舞台。
兄を亡くしたばかりのエルシーと、父が戦地で行方不明のフランシスの2人の少女。

エルシーの兄が亡くなり、悲しむ母を励まそうと妖精の写真を撮る2人。兄は妖精を信じていたのです。母にも信じて欲しい。そんな少女の想いが、静かな街を騒動に巻き込みます。

子供の純粋な心と想像力の豊かさ。
一方で、大人の愚かさが描かれています。

展開はゆるいところもあるけど、実際の事件の結末を知ってから観ると、よりよいと感じられます。

事実を越えて最後までファンタジックであること、何よりも約100年前の2人の少女に敬意を払って製作していることがわかるので。

「大人になるのは、
自分より人の気持ちを思うこと」
信じ合う心が大切なのだと伝えています。
だから優しさを感じる作品なのでしょう。

ハーヴェイ・カイテル、ビル・ナイ、ピーター・オトゥールが出ていてうれしくなりました。彼らの演技が物語に深みを添えています。メル・ギブソンのカメオ出演も。

奇術師のフーディーニが言う
「神秘は存在するのです」と。
正義に満ちた言葉でした。
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