だんぷまみず

バニー・レークは行方不明のだんぷまみずのネタバレレビュー・内容・結末

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

課題3-①
保育園に預けたはずが消えてしまった4歳の娘、バニー・レイクを探すお話。

アメリカからイギリスへやって来た、レイク夫妻の娘バニー・レイクが行方不明になった。そんな話の始まり始まりかと思いきや、怪しい部分がたくさんあり過ぎて、娘が存在するのかどうかが最大の焦点になってる。まず行方不明になった「バニー・レイク」は一度も登場しないまま映画は進行。次に登場した夫妻の正体は実は兄妹で、異常に仲良し。最後にバニーの母親アンは小さい頃、孤独な幼少期を過ごしており、空想上の友達「バニー」と遊んで過ごしていた。

途中登場してくる誘拐犯候補達が怪し過ぎるのが、露骨過ぎて逆にこの人達は絡んでいないんだろうなとも思えてくる。。保育園から消える給仕長や、引っ越した家に突然押し入ってくる家主、保育園の上に住む創設者の謎の老婆など、誘拐犯候補が目白押し。サド公爵の鞭と髑髏持ってるとか、子どもの悪夢を録音テープで聞いて、作家活動してるとか特徴があり過ぎる。

刑事達も謎を追う中で、バニーは存在しておらずアンの空想で、兄スティーブンはそんな妹を献身的に労っていると思いきや、実は犯人はこの兄。娘を拐ったのも、人形や食器など盗んだのも、殺そうとしたのも兄。妹好き過ぎて、自分だけのものにしてしまおうなんてやばいやつだった。日常生活を普通に送れて、むしろ常識的な人間に映ってしまうほどの擬態で世界に紛れ込む恐怖。こんな兄と娘の3人で仲良く暮らそうなんて優しい妹の考えが上手くいくはずもなく。戦慄の2時間弱でした。