柊

仁義なき戦い 広島死闘篇の柊のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)
4.0
菅原文太出番少なめで北大路欣也演じる山中が中心に展開されるストーリー。
実話が元なのできれいな起承転結を求めるシリーズじゃないと思ってたが、一作目より筋がスッと通っており一つの映像作品としての面白みが増していた。
義理と人情、なんて言うけど組長やるようなやつはみんな食わせもんなんかね。一作目でも思ったけど、下の者動かすためによう口が回るわ。じゃないと組をまとめられないんだろうけどさ。

予科練の記憶を反芻する口笛、山中は特攻で散りたい男だったんだろうなあ。
喧嘩っ早さも矜持の高さも、そして妙に純朴なところもそう思わせる。命を張るだけの理由と機会を欲してたんだろう。

あとは梶芽衣子の美貌。意思の強い眼差し。最高。爪を立てて悲痛に泣く演技も、弱々しさでなく悔しさが激しく滲む情念の強さを感じて大変良かった!

菅原文太の渋い声がなかなか聞けないのは残念だったけど、映画としてはこっちのほうが好きだな。
柊