ミミック

エロス+虐殺のミミックのレビュー・感想・評価

エロス+虐殺(1970年製作の映画)
3.0
1910年代に実在した無政府主義者の大杉(細川俊之)を中心とした三角関係のもつれの話と、学生運動が盛んな1969年現在の大学生カップルの話を交互に描く。

大正パートは最後に大杉が死ぬに至る流れを複数回繰り返し見せる不思議な構成に加え、昭和パートはほぼ裸の二人が内容があるのかないのかわからない会話をずっと繰り返しながら叫んだり走ったりしてて、まるで夢の世界にいるような永遠かと思うほどの216分だった。
それでもモノクロを活かした陰影のあるカットや構図のキレはよくスタイリッシュ。第一部終盤のストップモーションの演出が急でギョッとした。

原田大二郎が「ゲバ、ゲバ、ゲバ、ゲバ」って言いながら彼女を追いかけるのが可笑しい。
不倫を目撃した女が、遊具を揺らして金属のきしむ音をならすことで怒りを演出してたのが心に残ってる。

結局のところ小難しいご託を並べて賢い振りをしていても、男女の情事はみっともなくて陳腐なものなんだな。
といっても劇中何回も意識が飛んだので、この感想があってるかどうかも分からない。
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