エロス+虐殺の作品情報・感想・評価

エロス+虐殺1970年製作の映画)

製作国:

上映時間:167分

ジャンル:

3.5

「エロス+虐殺」に投稿された感想・評価

tokio

tokioの感想・評価

3.5
Rec.
❶18.10.14,rd(Long Version:216min)
1910年代に実在した無政府主義者の大杉(細川俊之)を中心とした三角関係のもつれの話と、学生運動が盛んな1969年現在の大学生カップルの話を交互に描く。

大正パートは最後に大杉が死ぬに至る流れを複数回繰り返し見せる不思議な構成に加え、昭和パートはほぼ裸の二人が内容があるのかないのかわからない会話をずっと繰り返しながら叫んだり走ったりしてて、まるで夢の世界にいるような永遠かと思うほどの216分だった。
それでもモノクロを活かした陰影のあるカットや構図のキレはよくスタイリッシュ。第一部終盤のストップモーションの演出が急でギョッとした。

原田大二郎が「ゲバ、ゲバ、ゲバ、ゲバ」って言いながら彼女を追いかけるのが可笑しい。
不倫を目撃した女が、遊具を揺らして金属のきしむ音をならすことで怒りを演出してたのが心に残ってる。

結局のところ小難しいご託を並べて賢い振りをしていても、男女の情事はみっともなくて陳腐なものなんだな。
といっても劇中何回も意識が飛んだので、この感想があってるかどうかも分からない。
『人間失格』『ヴィヨンの妻』等、顔と頭がよくそのくせ生活能力のないダメ男を書かせたら太宰治の右に出るものはないし、それらのテーマを書く時は作者の「こいつはダメです」と言うハッキリと突き放す様な冷徹な視線がないとダメだと思う。

ダダイストでアナーキスト大杉栄を描く作品てどうしてこうも面白くないのは「こいつはダメですダメ人間です」って描かれてないせいだと。
そういう事をテーマにしてるんじゃなくてあの時代の、軍部独裁とファシズムに覆われて行く暗黒時代へと日本がなっていく中で左翼思想家や無政府主義者、大杉栄とその周辺の人物達の運命といった物をテーマにしてるのは分かりますが、如何せん大杉栄がクズすぎるのでその他の事が頭に入ってこない。
大逆事件や甘糟事件、思想弾圧や言論弾圧にたいして大杉栄らが何をしていたのか具体的な描写はなく、もしかして実際にもただわけのわからない屁理屈をコネ回すだけで殆ど何もしていないのでは。
かように大杉栄はじめ男共はくだらない論議をしてるだけで、生活は完全に女に依存し何もしない怠惰な生活を送るだけ。
伊藤野枝、神近市子ら女性達はあの時代において既に家庭といったものや家父長制や男尊女卑等の古臭い日本的因習を否定し、そこからの脱却と新しい日本の為の活動と行動を起こしてるのにたいして男共のこのダメさ。
正直、大杉栄なんぞと出会ってしまった事が伊藤野枝の最大の不幸だと思う。
吉田喜重監督「日本近代批判三部作」のひとつで実験的前衛的作品ですがかように大杉栄がクズすぎるので、その幻想的な演出やストーリー等まるで入ってこない。
三時間半もかけてやってる事は、小難しいわけわからんセリフを除けば男女の3角4角5角関係など『男女七人夏物語』と大差ないのでは。
現代編での若い頃の原田大二郎が余りに美青年なのが驚きました。
ヒルコ

ヒルコの感想・評価

2.6
頑張った。頑張ってまで映画を見たのは久しぶり。三時間半の長尺でこの内容だと、何見てるんだかも分からなくなってくる。ただ、岡田茉莉子は美しく、細川俊之は妖しい。原田大二郎も若さが溢れとても繊細に見える。構図やカットは息を呑むほどのものがあり、芸術性を感じる。けれど、終始眠くなってしまったのも事実です。
り

りの感想・評価

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吉田喜重初観 もっと訳わかんないかと思ってた 大正時代と1970年代を行ったり来たりして話が進んでいく 最後は音楽まで重なってうおーってなる 長かった
Ukosaaan

Ukosaaanの感想・評価

3.6
二度ほど寝落ち。
殺す殺さない、死んだ死なない、殺せよ殺すなよのくだりが初めはコントかと思いつついたら、まぁグダグダ長いのであくびが出ました。
とはいえ小説をそのまま映画化できるのは吉田喜重しかいないんじゃないかと思わせる圧倒的センスでセンチメンタルな気分。
じゅんP

じゅんPの感想・評価

4.6
尊大で稚拙な我儘を
只、有りの侭に此処から見る。

距離を、季を、情の壁を
ものともせずに其処から見る。

死が、身体を分かつまで
そのどちらもが私自身。

聲の支配を突き破り、
ふたつの自己が混ざり合う。

殺せ。燃やせ。走れ。愛せ。
吹き荒ぶ桜に身をやつす。
!!!!!!!!ポリアモリー!!!!!!!!

映画は覗き見だと誰かが言っていたけど、美しい構図は人の人生を垣間見ているようにも感じました。余白がありえないくらい多い。これは大きなスクリーンで観ないともったいない。パソコンで観てたら人物が小さすぎる。

カッコいいのだけど、『あぁ、この頃はこう言うのが粋だったんだろうな』と冷めた目でみている自分もいました。

思ったより血、ドバー!!!!じゃなくて、よかった。エログロでもなかった。

平行移動のカメラワークやシンメトリーな構図、畳や着物などの日本文化、ウェス監督にぜひみて欲しい(もうみてるかな)

受験勉強で習ったときはサラーっと人物名を覚えただけで、脚色があるにしてもこんな話だったのかーと思いました。
お話はご多聞に漏れずわからんから面白くはないけど、決してイキり、スノッブ的な印象はなく、これがわからんのは私の頭が悪く、吉田氏の頭が良すぎるんや…と思わせるほどに他の要素の強度がすごいから観ていられる
カットの前後関係がかなり異次元でふざけてるのかと少し思ったけど、すべてのショットの強度も異次元だった。
画面の埋め方がイカしすぎてる。カメラの位置だけで人も建築も風景も豊かになってた。

216分の長尺バージョンのはずがなんかのミスで短尺バージョンの上映だった