キヲシ

ロング・ライダーズのキヲシのレビュー・感想・評価

ロング・ライダーズ(1980年製作の映画)
3.5
実在のジェイムズとヤンガー強盗団をモデルにした群像劇。冒頭の銀行強盗でミスを犯したエドミラー(デニスクウェイド)に分け前を投げつけ、ボートを漕ぎ出すジェシーとフランクのジェームズ兄弟(ジェームズキーチ、ステイシーキーチ)。馴染みの娼婦ベルと戯れるコールヤンガー(デビッドキャラダイン)、結婚を申し込むジェームズ、ブランコを押すジムヤンガー(キースキャラダイン)、フランクに恋愛したことは?と聞かれ、最悪な経験をした最高な女がいたと語るクレルミラー(ランディクエイド)という具合に短いながらもそれぞれ女性が印象的な西部劇。馬車襲撃の際の鼻持ちならない夫とその妻、なんと言っても追っ手に啖呵を切るジェームズ夫人。最後まで紳士的なピンカートン社の探偵(ジェームスホイットモアJr)に比べ雑過ぎる手下の誤爆は酷いが、もしかすると実話なのか。屋根を走り、馬から飛び移る列車襲撃アクション。ベルを巡りナイフで決闘するジムには「ストリートオブファイヤー」を連想。州を越えての銀行襲撃はペキンパーオマージュ全開。ジムの頬に…兄を呼ぶボブヤンガー(ロバートキャラダイン)…あああ。ショウウインドウのガラスを乗馬で突き破るシーン。これは中子真治「SFXの世界」で紹介していた砂糖製ガラスだ。ジェームズキーチは常に酷薄な表情なんだが最後の横顔は。揃いのロングコートが映えるリマスター版。
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